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今村仁司
講談社 2024年08月08日
南太平洋のマエンゲ族の一日当たりの平均労働時間は四時間だという。古代ギリシアにおいて多忙は倫理的悪であり、中世の修道士にとって労働とは神から課された罰であった。
しかし近代になると、労働の価値に大逆転が生じる。「労働の尊厳」が高らかに謳われ、経済のみならず政治・文化を含むありとあらゆる活動が労働化する、完全な意味での労働社会が人類史上初めて誕生する。
この逆転はいかにして、なぜ起こったのか。古代から中世を経て近代にいたる労働観の変遷をコンパクトに描き出し、現在の労働中心主義は決して当たり前のものでもなければ、長い歴史に裏打ちされたものでもないことをあざやかに浮かび上がらせる。
人は生産労働なしに生きることはできない。しかし労働に従事するかぎり人間は自由になることはない。この相克を超えて、本当の意味で「労働から解放」されることは可能なのか――。
労働の価値が再び大転換しつつある今こそ必読の労働論!