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ラビンドラナート・タゴール
内山眞理子 訳
未知谷 2021年10月15日発行
妻、娘、息子、父、数々の別れの悲しみと痛みを
かぎりなく繊細に、切々とうたった
ベンガル語詩集『おさなご』(1909年)
1912年、詩人はロンドンを訪問、
翌13年に『おさなご』から40篇
詩人自らが選んで英訳し『三日月』を出版した
いのち幼き子を祝福する 比類ない独創性
子どもたちは泳ぎかたを知らない。網の打ちかたを知らない。真珠とりは真珠をもとめて海にもぐり、商人たちは船をしたてて海をわたる。子どもたちは小石をあつめ、また小石をまきちらす。子どもたちは隠された財宝をもとめず、網の打ちかたを知らない。
海は大わらいして波立ち、砂浜のほほえみが淡くかすかにひかる。死の商いをする波は、母が赤ん坊の揺りかごをゆらすときのように、意味のない歌をうたってきかせる。海は子どもたちとたわむれ、砂浜のほほえみは淡くかすかにひかる。
(本書「海辺に」より)