original
色川武大
文藝春秋 1989年10月7日
天地小口ヤケ
戦後色濃い世相を行き来しながら、人生の奥行と陰翳を幻想的に描いた連作短篇。
私が関東平野で生まれ育ったせいであろうか、地面というものは平らなものだと思ってしまっているようなところがある―「門の前の青春」。亡くなった叔父が、頻々と私のところを訊ねてくるようになった―「墓」。独自の性癖と感性、幻想が醸す妖しの世界を清冽に描き泉鏡花賞を受賞。